ル・テアトル銀座へ美輪明宏のコンサートに行く。
もともと美輪明宏という人物には、ほとんど関心がなくて、デヴィ夫人みたいに憎まれ口をたたくキャラクターなのだろうという認識しかなかったが、以前にシャンソン歌手のバックの手伝いをしていたときに、曲をいくつか聴くうちに素晴らしい歌手だと思うようになった。
ぜひ、いちど生で聴きたいと思っていたが、チケットはいつもソールドアウト状態で行けずに、今回はオークションでやっと入手できた次第である。
会場に入ると、デパートの化粧品売り場の匂いがした。
襟の立ったブラウスを着て、扇子を使っている東海林さだおの漫画に出てくる典型的なオバサマを何人もみかけた。
コンサートは、期待を超えた素晴らしさだった。
正統な声楽の訓練をした声は、力強く艶っぽく美しい。
ラメの入ったきらきらのドレスもゴージャスだが、下品には見えなかった。クジャクのよう。
特に、第2幕でドレスを変えてでてきたときは、周囲から感嘆の声が上がっていたが、僕自身も「ホー」と思ってしまうほどの優美さだった。全然シュミ悪く見えない。
実物は72歳を超えたジイさんなのに、不思議に美しい。
ラストは、エディット・ピアフの最後の旦那がいかに献身的であったかを話した後に「愛の賛歌」。
「その辺のカラオケで歌われるような歌とは全く違う歌ですからね」という前置きの後に始まった”Hymne à l'amour”は圧巻だった。
不覚にも涙がじんわり出た。
素晴らしいエンタティメントだった、ということで☆☆☆。
いつまでも艶のある声で、わたしも生で聴いたらきっと涙していたろうと思います。
それにしても、そんなにチケットの入手が困難だったとは……!